どうも、あずさ(@azs048xx)です。
私は現在フリーランスのWebライター、ディレクター、ライティング講師として活動しており、お陰様で収入は安定して7桁を超えるようになってきました。
100万円超えの利益が安定してきたのは、昨年2021年の真ん中あたり。
それまでは50〜100万円をウロウロといったところ。そんな昨年度の課税所得を計算すると、どう足掻いても1,000万円近くという結果に…。
ありがたいことですが、こうなると税金が莫大。法人化を検討せざるを得なくなってきます。
ただ、当然「法人化」は人生における大大大イベント。ちょっと所得あがったからって、安易に会社を作って良いわけないじゃないですか。私のフリーランス・経営者仲間はみんなレベチなんで、ファミレス行くみたいに「法人化すれば?」って言ってきますが、もちろんそのノリで会社作るとやばいですよね。
税金のことだけ考えると法人化すべきなのは分かる。でも、法人化にももちろんデメリットはあるでしょ。そもそも、私は本当に女社長として生きていきたいのか。会社作るとより仕事中心の人生になるんじゃないか…。
こんな感じで色々と、フリーランスの法人成りについて私なりに考え込んでみました。
結論としては、焦って法人化する必要はないんじゃないか。というのが今の考えです。「法人化まだ?」なんてお仕事仲間やフォロワーさんによく聞かれるので、私なりの考えを綴っていきたいと思います。
一般的な「法人成り」のタイミングとは
そもそも、一般的にフリーランスが法人化を考えるタイミングっていつなのでしょうか。これについては色々な考えがあると思うんですが、所得の観点でいくと「課税対象の所得が600〜800万円以上」が目安だと言われているようです。
個人事業主が支払う税金といえば、所得税(+復興特別所得税)と住民税、個人事業税、消費税の4つ。
ただ、消費税は前々年または前年度の前期6ヶ月間の課税売上高が1,000万円以上を超えた場合のみ発生しますから、当てはまる場合はほとんどの方が法人化してると思うのでとりあえず無視。個人事業税はありがたいことにライター業は課税対象外です。
つまり大半のフリーWebライターが支払うべき税金は所得税(+復興特別所得税)と住民税のみ。そのうち所得税は課税所得により変動しますが、695万円を超えると23%、900万円を超えると33%まで跳ね上がるんです。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超・330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超・695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超・900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超・1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
ここに住民税が10%ほど加算されるので…合計税率は年収695万円で約33%、900万円を超えると約43%ってわけ。税率ほんとに高いですよね。1,000万円稼いでも半分ぐらい(言い過ぎ)徴収されちゃうんですから。税込1,000万円稼いでるぜー!!って言ってるフリーランスは、手取り年収600万円ぐらいってことです。
一方、法人の場合、支払うべき税金は法人税、法人住民税、法人事業税の3つ。個人事業主の所得税は最大45%までアップするのに対し、法人税は最大でも23.2%。800万以下なら15%です。税金全て合算しても、400万円までで約22%、400〜800万円までで約25%、800万円以上で約35%だとか。
だからこそ、年収600〜800万円を超えた頃が法人成りの目安だと言われてるんです。しかも法人化すれば経費にできる項目が増えるほか、社会保険に加入できたり赤字を9年繰越せたりするので、所得が増えるほど個人より何かとお得になりやすいんですよね。
とはいえ、今紹介した数値はあくまでも「会社が支払う税率」です。法人化すると会社(事業)と自分は別々になるので、自らのお給料に対する税金も別途支払う必要があります。
…なんて偉そうに言ってますが、この辺はまだまだ勉強不足でよく分かってません。今の私だって、本当に法人化したほうが税金的にお得なのかは税理士さんに聞かないと判断できないです。「所得がいくら超えたら」なんてのは目安であって、実際のところはビジネスモデルによって大きく異なりますから。
大事なのは「税金」じゃないよね?
そんなこんなで上述したような知識しか持っていない私ですが、未だに税理士さんへ相談はしてません。だって、法人化にあたりよく考えるべきなのは「税金のこと」じゃないと思っているから。
私が重視してるのは税金うんぬんかんぬんよりも、日々の暮らしへの影響や自分のモチベーション。社会的信用。そして何より法人化してホンマに会社経営していけるんか?ってところです。
もちろん最初は「税金えぐい、そろそろ法人化せな」ってな感じでした。なんなら、今頃はもう既に法人化してる予定だったんです。でも、昨年の後半からワークライフバランスについて考える機会が増え、「法人化はなんかまだ違うかも」って思うようになったんですよね。
法人化=お金を稼ぎ続けるということ
これだけ税金が重要じゃないと思ってる。なんて言っておきながら、まずはお金の話をします。
先ほど紹介した通り、法人化すると個人事業主でいう所得税が一律になるじゃないですか。低くとも、15%に固定されるわけです。対して個人事業主は、年収330万円以下なら10%、195万円以下なら5%まで下がります。
ってことは、法人化するなら少なくとも330万円以上、月収にして約27万円以上は稼ぎ続けないと勿体無いってこと。これ、所得ベース(売上−経費)なので、売上でいうと私ならおそらく年間600万円程は稼がないといけません。
もちろん今の働き方であれば余裕で超える数値ですし、この「一定ラインは稼がないといけない」っていうのがモチベーションにもつながって、結果事業は拡大していくと思うんです。
ただ、私にとっての理想の働き方は、稼げる仕事をするんじゃなくてやりたい仕事をすること。そして一緒に働きたいのは、高額報酬をくれるお客様<好きな人。これ綺麗事でもなんでもなくって。ワークライフバランスを意識し始めてからは特に感じるようになったんです。実際これまでも、「やりたい仕事」「一緒に働きたいクライアント」を選んできました。
さらに意外かもしれないですが、案外「稼ぎたい欲」はないんです。とにかくお金に囚われた働き方はしたくありません。
だからこそ、法人化によって「お金を稼がないと!」とプレッシャーを感じるようになったら嫌だなと。だったらちょっとぐらい高い税金支払ってもいいや。これが今の考えです。
今後もワークライフバランスを重視したい
さっきから「ワークライフバランス」という言葉を何度か出していますが。そもそも私、自分でも認めるほど「仕事人間」なんです。何よりも仕事優先。仕事が大好き。仕事と愛し合っている。趣味は仕事って言っちゃうぐらい。生き甲斐も仕事。
おかげで(?)月収10万円シングルマザーから「法人化しないとダメかな」なんて悩むレベルまで到達できたわけです。自分で言うのもアレですが、まさに人生大逆転。貧乏の極みだった私ですが、お金には一切困らなくなりました。
でも昨年あたりに気付いたんですよね。
マジで仕事しかしてないやん。他のこと全然できてないやん。もっと大事にせなあかんこと、完全に忘れてるやん!
っと。正直、家事はもちろん子育ても超絶疎かにしていて。子供への口癖は「忙しいから」。詳細はまたの機会にお話しますが、娘を見てると「母としての私は最低だな」って感じることが多くなってたんです。よく考えたら、自分自身のプライベートも全然ありませんでした。おまけに引き篭もりすぎて不健康だし…。
お金を稼げて、やり甲斐もある。だけど、それ以外の「良いこと」はない人生を送っていると気付いたんですよ。こんな状態で、お金だけ稼いでどうするの?そこまでして稼ぐ必要なくない?とも思い始めました。
そこで、ワークライフバランスの見直しに命注ぐ勢いで取り組んだ結果…今やっと、自分にとっての「ベストバランス」で働けるようになったんですね。
長々話しちゃいましたが、結局何が言いたいかって。今後も私は、このバランスを大事にしていきたいんです。でも、ここで法人化するとさらに「仕事人間化」しちゃうんじゃないかって心配なんですね。仕事以外のことにも目を向けられるようになったとはいえ、今でも気を抜くとすぐに仕事病がぶり返すので。
自分のワークライフバランスを守りたい。これも、私が法人化を保留する理由の一つです。
信頼性に法人か個人かはあんまり影響しない説
法人化のメリットとして「信頼性がアップする」っていうのもあると思います。
まぁ普通に考えて、個人か法人ならもちろん信頼度が高いのは法人でしょう。だって、例えば中古車を購入するとして。個人で営んでいる車屋さんより、◯◯株式会社みたいな車屋さんのほうがなんとなく信頼できるじゃないですか。しっかりした車を扱ってそうですし、アフターサポートもちゃんとしてそうですよね。なんとなく。
でも結局こういうのって「なんとなく」だと思うんですよ。だからこそ自分のことを全く知らないお客さんを相手にするなら法人だと有利な面もあるのかもですが、私の場合はあんまり関係ないのかななんて。
そもそもWebライターという職業。大掛かりにLP作って編集プロダクションでも営むならともかく、依頼時に相手が法人か個人かなんてそこまで重視されないと思うんです。それよりも、大事なのは口コミやら実力やら人間性やら。これはWebライターに限らずですが、この業界は特にです。
もちろん影響ないわけじゃありません。でも私は「個人か法人か」より「口コミ」や「人間性」が絶対的に強いと思ってます。深掘りはしませんが、これは自身の経験から深く学んだこと。
なので法人化しても、信頼性に関しては「おまけ程度かな」と考えてます。少なくとも今の私にとっては。つまり全く重視してません。法人化する理由としては、薄いですねー。
家、買いたい。
そして私が法人化を渋るもう一つの理由は、近いうちに住宅を購入したいからです。
実際に2021年2月現在も、毎日物件や土地を探し中。先日最高の物件を見つけて申し込みローンも通過したにも関わらず、先約に取られちゃって自暴自棄になってますけどね(何の報告)。
で、これが法人化にどう関係してくるんだ?っていうお話ですが…
法人化するとローン組めなくなるんですわ。
というのも、会社を設立すると「転職扱い」になっちゃって、フリーランス時代の実績は一切みてもらえないんです。
つまりもし今(2022年2月)法人化すると、新入社員と同じような扱いで収入の証明ができません。よって、最低でも来年本年度分の確定申告を済ませるまでは原則ローンに通らないです。しかも、その場合はいくら収入が多くても勤続年数の短さがネックになって不利になる可能性もあるとのこと。
かといって、流石に5,000万円や6,000万円をキャッシュで払えるほどの馬力はありません。法人化して信用がつくまで住宅購入を先延ばしにするつもりありません。ここまで色々熱く語っておいて申し訳ないのですが、正直この「家を買いたい」っていうのは法人化を保留している一番の理由かもです(笑)
これからも、ワガママに働く。
フリーランスにとって「法人化」は一つの夢・目標なのかもしれません。
でも、私は法人化が全てではないと考えてますし、ステータスとして魅力を感じるわけでもないです。収入が増えたからという理由だけで法人化したいとは思いません。税金が高くたって、多少損したって、今は「精神的自由」を取りたいですね。
と言いつつ、早ければ本年度中に法人化する可能性は十分あります。コロコロ意見変わったり、その場の感性だけで行動したりするのが私ですから(笑)
とりあえず、家買ったらもう一度ちゃんと考えますね。←
追記:なんだかんだで…
本記事の公開から約1年後、なんだかんだで法人設立に至りました。その経緯や考え方の変化など、詳しくは以下の記事で語ってますので、興味のある方はぜひ拝読を↓