【例文あり】Webライターが案件受注できる提案文の書き方【採用担当者が解説】

提案文の書き方が分からない…。採用してもらうにはどんなことを意識すればいいんだろう。

クラウドソーシングをはじめ、Twitterでも直接営業でも案件応募時は必ず提出する提案文。Webライターにとって提案文は、就職時の「履歴書」のようなものです。

提案文がクライアントの目に留まらない限り、仕事はもらえません。ライターとして活動していきたいと考えるなら、まず第一に「採用される提案文」の書き方をマスターしておく必要があるでしょう。

そこで今回は、Webライターの提案文について書き方やポイントを紹介していきます。

この記事で分かること
  • 提案文作成時に念頭に置くべきこと
  • 提案文の基本内容&NG要素
  • Webライターの提案文テンプレート
  • 初心者でも周りと差を付けられるテクニック

Webライター講師として今まで沢山の提案文を添削したり、日頃からWebディレクターとしてライター採用を担当したりしている筆者が網羅的に解説していきます!

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目次

【大前提】Webライターの提案文は発注者の視点に立って書くこと

大前提として、Webライターが提案文を書く際に必ず意識すべきなのが、とにかく発注者の視点に寄り添うことです。

めちゃくちゃ当たり前でめちゃくちゃシンプルですが、ここを完璧にできるWebライターはほとんどいません。

しかし本当に発注者目線で考えながら適切な提案をすれば、どんな案件でも素晴らしいアピール文が書けるはずです。採用率も間違いなくアップするでしょう。

Web上には様々な提案文のテンプレがありますし、本記事でも紹介させていただきますが、案件に応じて正解は異なります。「提案文の本質=発注者の視点に立つこと」を意識せず思考停止してしまっては、採用される提案文を書けません。

じゃあ具体的にどんな提案をすればいいの?というお話なのですが、それは一方的な自己アピールではなく発注者の要望に対して自分がどのように貢献できるのかを明確に伝えることです。

その為には大前提として発注者のニーズを正確に読み取らなければなりませんし、ただ「こんなことができます」「こんな実績があります」だけを伝えても意味がありません。

「こんな知識や実績があるから、それらを活かしてあなたのメディアでこのような役に立てますよ」「本案件ではこんな知見を元にこんな記事を書こうと思っています」といったことを具体的に提案する必要があるのです。

西田あずさ

商品や営業マンになりきり、どのように売り込めば採用したいと思ってもらえるかを徹底的に追求して提案文を書きましょう!

Webライターが提案文に書くべき基本内容

では案件を受注する為に、どのように提案文を書いていけばいいのでしょうか。

まず確実に網羅すべきなのは、こちらの2点です。

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  1. 発注者が求める情報
  2. 受注者としての基本情報

1.発注者が求める情報

発注者が求めている情報を漏らさず提案文に書くのは、最低限のマナーです。まずは発注者が提示している案件の詳細をよく読み、相手が提示している情報は必ず全て書きましょう。

例えばクラウドソーシングの案件だと、よく以下のような指示があります。

▼ここからコピーして提案文に使用▼
----------------
1.お名前
2.性別
3.年齢
4.ポートフォリオ
5.当案件への意気込み
----------------

応募文を読んでいるか確認するために詳細な指示をしているクライアントもいるので、見逃さないようにしてください。

2.受注者としての基本情報

そして、発注者から提案文の内容の指定がなくても以下4つは必ず明記しましょう。

  1. 挨拶&簡単な自己紹介
  2. 案件に応募した理由
  3. 作業・連絡可能時間
  4. 納期について

会社やお店のチラシ・名刺などにも営業時間だったり納期だったりは必ず書かれていますよね。それと同じです。

自己PRだけ書かれていても、基本情報なくして相手に「プロ」としての信頼感を与えることはできません。

Webライターの提案文で避けるべきNG要素

次に、提案文のNGポイントも知っておきましょう。

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  1. 読みづらい文章
  2. 初心者発言
  3. テンプレをコピペ

1.読みづらい文章

読みづらい提案文は、読みづらい記事を連想させます。クライアントは提案文でもあなたの文章力を判断しますから、読みやすく分かりやすい文章を心がけてください。

また、正しい文章表現だけでなく、以下を適正使用して「視覚的な見やすさ」も整えましょう。

  • 改行
  • 箇条書き
  • 見出し

当然ですが、誤字脱字は信頼を失うので厳禁です。何度もしっかり読み返し、Webライターとしてスキルがあると認められる提案文を書いてくださいね。

2.初心者発言

そして、いくらあなたが超初心者ライターだとしても「初心者発言」は絶対に避けるべきです。

初心者を強調すると「レベルが低くても許してね」と言っているようなものですし、クライアント側からすれば大量にある応募の中からわざわざ初心者アピールしている人に依頼するメリットはありません。同じ金額を払うなら、ベテランに依頼したいと考えて当然でしょう。

Webライターとして案件に応募する時点で、経歴関係なくあなたはプロです。

実績以外の熱意や本業での経験など自分ならではの強みを見つけ、採用してもらえるような魅せ方を考えてみてください。

3.テンプレをコピペ

なお、提案文のテンプレを完全にコピーして使うのは適切ではありません。

冒頭でもお伝えした通り、本来提案文は案件や発注者に合わせて的確にアプローチすべきです。同じ提案文を使い回せるわけがありません…。

ちなみに、最近クラウドソーシングで次のような募集文を見ました。

提案文にテンプレを使用されている方が多数いらっしゃいます。テンプレの時点で即候補者より除外します。

これは筆者が発注者だからこそ言えますが、何十人もの提案文やポートフォリオを見る発注者の本音です。

西田あずさ

テンプレを活用するのはいいですが、発注者の要望に沿ったオリジナリティーを加えましょう。

Webライターの提案文基本テンプレート

では具体的にどう書けばいいのか、提案文の例文を見ていきましょう。

以下のテンプレートは、本業で介護士をしている超初心者ライターさんが自身の経験を活かせそうな「介護系の案件」へ応募する際の提案文を想定しています。

はじめまして、●●でございます。
現在、介護士をしながらライター活動をしています。

今回「(案件名)」の募集を拝見し、ご連絡させていただきました。

私は今まで●年間介護士の仕事に就いており、●●年には介護福祉士の資格も取得しました。募集内容の●●に関しても知識と経験があるので、貴メディアに貢献したく応募させていただいた所存です。

主な経歴は、以下の通りです。※できるだけ案件に関係のあるものを記載すること

・20XX年:●●大学●●学部卒業
・20XX年:地域密着型医療施設で病棟看護助手として勤務
・20XX年:介護福祉士取得
・20XX年〜現在:特別養護老人ホームへ勤務

私が過去に執筆した記事のURL(または原稿)を添付いたしますので、文章力の参考に目を通していただけると幸いです。

http://〜(ドキュメントなどの原稿でも可)

なお、作業時間は毎日●時間以上確保しており、メッセージは24時間以内に返信可能です。

もし今回採用していただけた場合、●日までにご依頼していただければ●日までに納品致します。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討をよろしくお願い致します。

具体的な提案をプラスしよう!

そして、上記のテンプレを元に、案件概要から読み取れる「クライアントのニーズ」を意識しつつ具体的な提案をプラスしましょう。

例①SEO記事の場合

SEOで成果を出すために、強豪調査はもちろん、関連KWやQ&Aサイトからユーザーのニーズを念入りにリサーチしたうえで、ユーザーファーストな記事に仕上げます。
具体的には、以下の手順で執筆を行います。
①〜
②〜
③〜

例②テーマが「介護職の人間関係について」の場合

以前勤めていた施設では、特に看護師と介護士の間での人間関係が複雑でした。他の施設へ勤める友人からも、異業種間での派閥は多いと伺っております。このような問題に関し、現場でのリアルな体験を例題に用いた記事に仕上げようと思っておりますがいかがでしょうか。

このように、クライアントのニーズに対して自分がどのようなことを意識して執筆するのか、どんな記事に仕上げようと思っているのかなどを明記すれば、あなたに依頼して得られる成果物を相手も具体的にイメージできます。

知識の少ないジャンルの場合は…?

なお、もしも応募する案件が知識の少ないジャンルなら、以下のようにその分野へ興味があること・しっかりとリサーチすることをアピールしても良いでしょう。

「正直なところ現状●●に関しての知識は少ないものの、私自身、大変興味が深い内容です。徹底的に情報収集し、クライアント様が満足できる記事の執筆に努めますので、どうぞよろしくお願い致します。」

案件に関連のある知識や経験が全くないのであれば、「仕事に対する姿勢」や「熱意」で自分を採用するメリットを伝えるしかありません。とはいえWebライティングは、基礎とリサーチ力さえ身に付けておけば大抵の案件はこなせるはずであり、それはクライアントも承知のはず。

他ジャンルで得た成果や実績を何点かプラスしておくと、なおさら説得力のある提案文に仕上がるでしょう。

西田あずさ

テンプレートを参考にしつつ、素敵な提案文に仕上げてみてくださいね!

Webライター初心者が提案文で周りと差を付けるテクニック

自分には強力な実績もスキルもないけど、どうしても案件を獲得したい!でも、基本的な情報だけじゃ実績の多い人に負けちゃいそう…。

そんなときに使えるテクニックを3つお伝えしていきます。

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  1. 単価の割引を提示する
  2. 熱意を伝える
  3. 記事を執筆する

これらを実践すれば、0→1のクリアや実績の少なさをカバーできるはずなので、絶対に獲得したい案件の応募時はぜひ取り入れてみてください。

1.単価の割引を提示

まず1つ目が、単価の割引を提示すること。

「提示価格より安い単価で執筆します」と申し出て、他の人に頼むよりお得感を出してみましょう。

たとえば文字単価1円で提示している発注者に対し「0.6円で執筆します。」と提案します。すると発注者は「半額近いなら頼んであげてもいいかな…」と検討してくれる可能性が高くなるわけです。

発注者は文字単価1円の予算を持っているので、執筆する中で認められれば1円までアップするのもスムーズなはず。

テストライティングを必須としていないクライアントなら、「実績が少ないので、1本目はテストライティングとして受注させてください」と伝えるのも、サービスを暗に示していることになりますね。

2.熱意を伝える

実績のないWebライター初心者が実力以外でアピールできるのは、熱意です。

この案件だからこそやりたい!大好きなメディアで書いてみたい!

こんな熱い想いはどんどん伝えましょう。伝えなきゃもったいないです。

「あなたのメディアのこんなところに魅力を感じて、それを一緒に担っていきたい!」と伝えられて良い気持ちにならないクライアントはいません。

熱意と案件に応募した理由、メディアの役に立てる経験を絡めて書いてみましょう!

3.記事を執筆する

Webライターの提案時に「過去の成果物」の提出は必須です。

成果物がないと発注者としては採用の判断材料が足りず、いくら熱意を感じてもなかなか発注に踏み切れません。

とはいえ提出できるポートフォリオがない…。そんなときは、提案する案件と同じテーマの記事を自ら執筆して提出しましょう。

記事を作成する媒体としては、自身のブログでもGoogleドキュメントでも何でも構いません。

それらにプラスして、案件のテーマに合わせた「1見出し分の原稿」や「構成案」も提出すれば、かなり強力な提案文が完成するでしょう。

まとめ:Webライターの案件応募時はクライアントファーストな提案文を書こう!

というわけで今回は、Webライターにおける提案文の書き方について紹介しました。

繰り返しますが、提案文作成時に念頭に置いておくべきなのは「発注者の視点に立つこと」です。

発注者の視点に立つということがどういったことなのか、その本当の意味を理解さえしておけば、どんな案件に対してもパーフェクトな提案文が書けるようになるでしょう。

また、応募の数をこなしているうちに「自分にとってベストな提案文」の型は見えてくるはずです。

時間をかけて丁寧にクライアントファーストを心がけ、素敵な提案文を作成してみてくださいね!

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この記事を書いた人

関西在住フリーランス・シングルマザー。産後4年間の病棟介護士を経て、独学でWebライティングを開始。現在は、Webライター兼Webディレクター、編集者として複数メディアで活動しつつ、ライティング講師を務める。身軽に・自由に暮らすがモットー。

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