ペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的なユーザーモデルのこと。Webライティングでは「記事を読む架空の人物像」を指します。もっと簡単に言うと「あなたが書く記事を届ける相手」ですね。
そんなペルソナですが、良質な記事を書くためにも、スムーズにライティングを進めるためにも、執筆前の設定が必須。Webライターであればクライアントから指示されるケースもありますが、「何のための設定なのか」「どう活かしていくのか」など本質の理解は欠かせません。
そこで本記事では、Webライティングにおけるペルソナ設定の重要性や具体的な決め方をお伝えしていきます!
Webライティング初心者にはやや難しく感じる話もあるかもしれませんが、ゆっくり読んで理解を深めてみてくださいね。
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【前提知識】ペルソナとターゲットの違い
ペルソナ設定に関する具体的な知識をお伝えする前に、まずは似たような言葉である「ターゲット」との違いから。結論「ペルソナ」と「ターゲット」は似ているようで、実は異なります。
ターゲット | 年齢や性別などの大枠で定める想定読者 |
ペルソナ | 趣味や嗜好、価値観なども細かく設定した1人の想定読者 |
要は「属性」なのか「特定の人物」なのかということ。例えば「主婦におすすめの副業」についての記事を書く場合、ターゲットとペルソナはこちらのように設定します↓
ターゲット
- 30代の子持ち女性
- 在宅でお小遣い稼ぎする方法を探している
ペルソナ
- 石原梨花(仮名)
- 36歳女性
- 大阪の心斎橋付近に住んでいる
- 8歳の娘と3歳の息子がいる
- 医療事務のパートで月収8万円
- 結婚前は大手企業の営業事務に就いていた
- エクセルとワード、パワーポイントを使える
- 1年前に購入した家のローン早期返済を目指している
- 正社員でバリバリ働きたいが、幼い息子がいるため今は難しいと考えている
こんな感じで、ターゲットは集団、ペルソナは個人ですね。両者ともに「記事を届ける相手」に違いはありませんが、ペルソナを設定すればより明確な読者の悩み、求めていること、持っている知識をイメージできます!
Webライティングにおけるペルソナ設定の重要性
ではなぜWebライティングでペルソナを決めるべきなのか。それは一言でいうと、たくさんの人に読んでもらえる質の高い記事に仕上げられるからです。対象読者を定めるのに「たくさんの人に読んでもらえる」ってどういう意味?なんて思われたかもしれませんが、ペルソナを設定には以下のような効果があるんですね↓
- 記事の軸が整う
- 情報の網羅性が高まる
- 質の高いマーケティングが実現する
これらが実現する理由を、以降でチェックしていきましょう。
1.記事の軸が整う
まずペルソナを設定すれば、記事の軸がガチッと定まり、深くて濃い記事=質の高い記事に仕上げられます。
そもそもですが、同じテーマの記事だとしても、記事を読むに至った経緯や求めている解決策は読者によりさまざま。例えば「Webライターの稼ぎ方」といったテーマの場合、読者が全くの初心者なのか、1円でも稼いだことがあるのか、もしくは既に5万円ほど稼いでいるのかなどによってほしいと思っている情報は全く異なります。
読者が求めている情報例
完全初心者 | 稼げる金額や始め方、案件の獲得方法など基礎的な情報 |
既に始めている(まだまだこれから) | 稼ぐための具体的なノウハウや営業のコツなどの情報 |
既に5万円ほど稼いでいる | ステップアップするために必要な心構えやクライアントとの関わり方、付加スキルについてなど慣れてきた人に向けた情報 |
他に「いくら稼ぎたいのか」によっても提示すべき情報は変わってくるでしょう。
かといってこれら全ての人に当てはまる情報を盛り込むと、幅広くて薄い、さらに軸が定まっていない記事になり、結局どのパターンの読者にも「これは自分向けじゃない」と思われかねません。つまり誰にとっても役に立たない記事になってしまうのです。
一方ペルソナ設定をすると、読者の悩みや状況などを具体的にイメージでき、記事を読むに至った経緯(記事を読む理由)も明確になります。そしてその人に適した情報だけを提示する記事を書けば、軸がブレたり、内容が幅広くなりすぎることはないんですね。
書き手も「どの情報を入れよう?」「どんな内容にしよう?」と迷うことなく、スムーズに執筆を進められます!
2.情報の網羅性が高まる
そして、ペルソナ設定は記事の網羅性を高めるためにも役立ちます。
記事の網羅性はSEOでもとても重要視されているポイントですが、これは大前提として情報の「数」のことではありません。読書が本当に知りたいことをどこまで深く掘り下げて詳しく解説しているか、情報の「密度」や「深さ」を指しています。
想定読者が曖昧なまま網羅性を意識して書いても、単に情報量が多く長いだけの記事になりがち。そもそも想定読者がわからない=読者の悩みや欲求が明確になっていないので、網羅性の高い記事なんて書けません。ペルソナ設定をしない限り、読者にとって知りたいことが十分に書かれている記事執筆は不可能なのです。
情報の網羅性が高く濃い記事執筆を目指すなら、必ずペルソナ設定を行いましょう!
3.質の高いマーケティングが実現する
最後はちょっと難しいかもですが、ペルソナ設定はマーケティングの成功率を左右するポイントでもあります。
というより、本来ペルソナはマーケティングの精度を高めるために設定するもの。マーケティングの成功、これがペルソナ設定最大の目的です。
今頭に「?」が浮かんでいる人も多いと思うのですが、要は文章で商品を買ってもらうためにはペルソナライティングが必要不可欠なんですね。例えばアフィリエイトの成約を狙いたい、自社の商品を買ってもらいたい、何かに申し込んでもらいたい。そういった記事では読者に向けて「セールス」するわけですが、読む人に適切な方法でアプローチしないと買ってはもらえません。
でもペルソナを設定すれば、アプローチ方法からアピールすべきポイントまでが全て明確になります。結果、読者にとって適切なセールスが実現し、売上アップにつながるんですね。
難しく感じたかもしれませんが、とりあえず「記事で何かを買ってもらうためにはペルソナ設定が欠かせない」と覚えておきましょう!
Webライティングにおけるペルソナの決め方
では実際にペルソナはどうやって決めれば良いのか、その基本手順をお伝えします!
- 設定項目を決める
- 項目を埋める
STEP1.設定項目を決める
まずは、ペルソナ設定に必要な項目を決めていきます。
適切な項目は記事のテーマや目的によって異なりますが、基本要素はこちら↓
名前 | |
年齢 | |
性別 | |
居住地 | |
家族構成 | |
経歴(学歴) | |
職業 | |
収入 | |
抱えている悩み | |
テーマに対する目標 | |
性格や人生観 |
商品を販売するようなページであればこれらに加え「商品の購買プロセス(衝動買いかじっくり検討するかなど)」を追加したり、必要であれば「休日の過ごし方」や「趣味」をプラスしたり。逆に不要なものは消してもOKです。記事により項目は都度調整してみましょう。
STEP2.項目を埋める
次に、STEP1で決めた項目を実際に埋めていき、ペルソナを完成させます!
例:自宅トレーニングに関する記事を書く場合
名前 | さいとう ゆうこ |
年齢 | 29歳 |
性別 | 女性 |
居住地 | 大阪の下町 |
家族構成 | 夫、7歳の息子、小型犬1匹 |
経歴(学歴) | 商業高校卒 |
職業 | パート事務職 |
収入 | 月12万円 |
抱えている悩み | 若い頃は気にならなかった部位にお肉がつくように。30代目前であることから、対処しないとまずいと考えている。ジムに行く金銭的余裕と時間はない。 |
テーマに対する目標 | 1日15分以内でラクに続けられるトレーニングをしたい。次の夏に水着を着ても恥ずかしくないぐらいになればいいと考えている。 |
性格や人生観 | 体を動かすのは好きだが、怠け癖がある。 |
このように人物像を作り上げていきますが、ポイントはなるべく「本当にいる誰か」に設定すること。そのほうが、ペルソナを理解しやすい=よりよいライティングに活かせるからです。
可能であれば過去の自分や友人などをペルソナにしてもOKですし、SNSで見かけた人を想像してみても良いですね!
Webライティングでペルソナを決める際のポイント
最後に、より良いペルソナ設定をするために意識すべき2つのポイントをお伝えしていきます。
- 実在しそうな人物に設定する
- 細かく設定しすぎない
1.実在しそうな人物に設定する
1つ目のポイントは、ペルソナは必ず実在しそうな人物に設定すること。
ペルソナに決まりはないですが、なんとなく決めたり、自分の書きたい記事内容から逆算して都合の良いように設定したりすると「こんな人いないでしょ」みたいな人になりがち。そうなると実在する真の対象読者からズレてしまい、失敗してしまいます。
せっかくペルソナを決めても、実際の読者からかけ離れていては全く意味がありません!
なのでペルソナ設定時は「本当にこんな人がいるのか」といった点もしっかり考慮してください。迷ったときはテーマに関する内容でQ&AサイトやSNSなどをチェックし、どんな人が何を言っているのか、ペルソナ設定のヒントを得ると良いでしょう。
2.細かく設定しすぎない
2つ目のポイントは、細かく設定しすぎないこと。
これも「実在しそうな人物に設定する」に似ていますが、細かく設定しすぎるとマニアックなペルソナになり、ごくごく一部の読者にしか響かない記事に仕上がりがち。本来読者になり得る人たちを取りこぼしかねません。
細かく設定するほど記事の軸を定めやすいですが、詳細にすればするほど無意味になる可能性もあるんです。
あくまで多くの人に読んでもらうためのペルソナ設定なので、決めることばかりに気を取られないよう注意しましょう!
まとめ:Webライティングでは必ずペルソナを決めよう!
というわけでWebライティングにおけるペルソナ設定の重要性や決め方をお伝えしましたが、大事なのは「決めること」じゃありません。執筆に「活かしていくこと」です。
この本質を理解せぬままなんとなくペルソナを用いると、全く無意味になりがち。そうなれば、決める時間すらもったいないです。
「どうして決める必要があるのか」をしっかり理解したうえで、意味のあるペルソナ設定をしていきましょう。